平成23年6月から『ひょうご水百景』の発刊を始める
兵庫県を退職する時期が目前に迫っていた平成22(2010)年度末、退職後何かをしたい、という漠然とした想いはありましたが、具体のイメージはありませんでした。水系コンサルタント「日水コン」に再就職後、趣味の写真を生かし、そして長く関わってきた河川行政の経験を生かして何らかの情報発信ができないかと、いろいろと考え抜いた末に、この『ひょうご水百景』の発刊に至りました。配布対象は主に兵庫県の土木関係の幹部職員で配布部数は約270部、A4判、4ページで、できるだけ写真や図を使用して読みやすく見やすいものに、そして土木の技術屋が読んで興味の持てる内容にすることを心がけました。
2ヶ月間の試行錯誤を経て、平成23(2011)年6月に第1号を発刊、会社のご理解とご協力を得て、以後毎月1号のペースで発刊を続けました。内容は、主として兵庫県内の水景色にまつわる歴史や文化・自然・産業との関わりです。当初思いついたテーマ数が40程度だったので“水百景”というタイトルをつけることに多少の抵抗はありましたが、テーマが尽きればやめたらいい、と割り切ってスタートしました。

継続は力なり

その後、危惧していたネタ切れもなく順調に号を重ね、令和元(2019)年9月には100号に到達しました。まさに「塵も積もれば…」ですが、多くの方から資料や情報を提供していただいたおかげで、ここまで来ることができました。
会社では、50号および100号に到達した段階で、『ひょうご水百景』を上巻・下巻という形で印刷製本し、顧客に配布されたそうです。
そして、兵庫県県土整備部河川整備課も同様に50号までを印刷製本していただきました。このことが、その後の印刷製本の流れをつくったように思います。
100号到達の際は、前身の河川課が設置された昭和14(1939)年から80年が経過したことを記念し、兵庫県の水文化を守り次世代へ継承していくため、私がこれまで発刊してきた108号までを冊子としてまとめ、令和2(2020)年3月に『五国が紡ぐ~ひょうご水百景』として印刷製本していただきました(右の写真)。この冊子は、県の関係機関や県下の市町、図書館に配布され、さらに記者発表した上で希望する県民にも一定部数が無料配布されました。冊子を受け取った県民の方からは、「兵庫の河川1本1本にさまざまな物語があったことを知りました。河川による被害も沢山あったが、恩恵を受けてその地域の産業として栄えていることも事実です。その河川にまつわる歴史がよくわかりました。-(中略)-我がふるさと兵庫により愛着と誇りを持つことができました」とか、「加古川に関するページを何度も読み返し-(中略)-用水、治水のためにも川をきれいにしなくてはと肝に銘じ、これからも先祖伝来の田畑を守っていきたい」、あるいは「西宮まちなみ発見倶楽部というところでマップづくりや市民対象にまちあるき等を実施する活動をしていますが、この冊子を大いに役立てていきたい」といった礼状が届きました。

このような礼状をいただくと中途半端な形でやめるわけにもいかず、同年11月からは月2号に増やして発刊を続けることに。テーマは100号を超えても尽きることなく、タイトルを『続・ひょうご水百景』に変えて発刊を続け、令和6(2024)年7月にはとうとう200号に到達しました。
その後もタイトルを『続々・ひょうご水百景』に変えて発刊を続けていますが、令和8(2026)年には「ひょうご人と自然の川づくり」基本理念・基本方針策定からちょうど30年を迎えるということで、兵庫県土木部総合治水課が主催する形でオープンセミナーが令和8(2026)年2月に開催されました。生物環境科学・歴史文化に精通した学識経験者による講話を通して、「ひょうごの川の魅力」や「自然や場に応じた川づくり」を進めることが開催の趣旨ですが、その際に新たに印刷・製本していただいた『続・ひょうご水百景』の冊子(右上の写真)が参考資料として配布されています。
200号を超えて以降もネタは尽きることなく、今現在も執筆を続けています。ただ、年相応に知力・気力・体力が落ちてきているので、あまり無理をせずボチボチペースで……。
『ひょうご水百景』ホームページを開設
200号を超えたところで初期の『水百景』を読み返してみると、A-4、2枚にまとめる関係もあって少し窮屈なレイアウトになっていて、加えて地図が挿入されていない号もあって、見づらく、読みにくいのではないかと反省しています。現在執筆している分についてはその点も配慮して書いていますが、特に初期のころの号はどうしたもんかと…。
ということで、ホームページを開設することにしました。制約が少なくなるので、少しは見やすく、そして読みやすくなるのではないか、そして、より多くの方に読んでいただきたいという思いもあります。ただ、デジタルスキルがきわめて貧弱なので、思うようなレイアウトが構築できません。できる範囲でいいものに仕上げていきたいと思っていますが、いつになることやら。当面は、見苦しい画面になると思いますが、ご辛抱のほどよろしくお願いします。

『ひょうご水百景』の読み方
1 『ひょうご水百景』は、兵庫県内の水景色ベスト100を選定するものではなく、主に兵庫県内の水景色にまつわる歴史や文化、自然、産業との関わりなどを紹介するものです。また、当初は一つの目標だった「百景」もすでに超えてしまっているので、今は、特に「百」にこだわらず、無理のない範囲で号を重ねていきたいと思っています。
2 本ページに掲載している写真は、できる限り自分で撮影したものを使用しています。写真の枠が緑色のものは筆者自身で撮影したもの、茶色の枠はさまざまな文献・資料から引用したものです。
3 『水百景』を執筆する過程で県外の水景色に目を向けることもあって県外編も数号できています。いずれ「県外編」にアップしたいと思っています。